『まなつ』インタビュー
ー宅録カセット第二弾は「まなつ」と名付けられましたね。
はい。今年は本当に暑かったです。
様々なものが残像に見える瞬間が多々ありました。
今回のカセットはそれを記憶と記録に残そうと思って。
ー残響と言うか、こだまする音がたくさん入っていますね。
はい。蜃気楼といいますか。ゆらゆら動いているものに集中しました。
いやぁ、本当に暑かったですね。
へばりながらも景色が揺れ動く瞬間を逃さないようにキャッチしました。
ー録音についてお聞かせください。
右手にマイクロフォン、左手にアナログディレイを持ち、カセットMTRをまわしました。
ラジオの音をマイクで拾いアナログディレイでぐにゃんぐにゃんにしたり、自分のアルバム音源のリズムトラックをマイクで拾いアナログディレイで飛ばしたり。
まるで暗闇の洞窟の中をマイクがライトのような役割を果たして、新しい景色を見せてくれた。
みたいな感じですね。
弾き語りの曲は一旦録音して、プレイバックをマイクで拾い先ほど言ったような形で遊んでいます。
ベースが手元になかったので低音はすべて1オクターブ下げたギターで演奏してます。
ーレゲエと言いますかダブの影響が見られますね。
はい。やはり暑くなると聴きたい音楽も変わりますよね。
今年の夏は特にレゲエやダブをよく聴きました。
それも影響していますね。
ーまるで支離滅裂ですが。
今回もですか…。
制作時間を先に決めて、
その時間が来るまで部屋から出られないと決めて録音したせいでしょうか。
録音と作曲を同時に進めたので支離滅裂にはなっていないはずですが。
それにしてもカセットが楽しいのはピッチコントロールで遊べることですね。
音楽そのものをこねくり回せる、粘土のおもちゃみたいで好きです。
ー最後に一言お願いします。
四季と言いますか。
気温や風のにおいなどで、体が鳴らそうとする音は変化しますね。
体にも、音にも四季があり、移り変わりを感じます。
そして、真冬にこの「まなつ」を聴く楽しさもあると思います。
時間という名の乗り物に乗って様々な風景が見られる。
それって楽しいことですね。悲しいことでもありますが。
今を掴め、というメッセージを世界から感じます。
やれることはやってみる、というのが大事なんだと思います。